少々荒々しいタイトルですが、経営者の方にウェブ活用いただく上で是非とも押さえていただきたいポイントを今回のコラムでお伝えします。
「絶対に」というのは、成果がでないというレベルの話ではなく、損失を招いてしまうということです。
ここであげる事例は、製造・卸売業を営む企業が、売上拡大を目指して、ネット販売を開始したケースです。
競合企業がネット販売を始めた影響からなのか、売上の減少が続いていました。
それなら当社も、とネット販売の開始を決定しました。
これまで、ネット販売の経験もなければ、小売販売のノウハウもないため、外部のネット販売の専門家に運用を全面的に任せてのスタートです。
まずは、顧客からのアクセス数を増やすこと。
顧客の購買行動から、購入を促す流れを作ること。
外部の専門家からの方針に従い、徐々に成果を実感できるようになりました。
一方で、卸売業の売上は減少を続け、ネット販売を開始していて本当によかったと実感したそうですが、
実はここに、重大な問題が隠れていました。
自社のネット販売が、卸売先企業の売上を圧迫していたことが判明します。
つまり、自社のネット販売の顧客と、卸売先企業の顧客が重複しており、顧客がネット販売へと流れてしまったということです。
一般に、既存のリアルな市場のターゲットと、ネット市場のターゲットは、異なるものとされています。
確かに、直接的なターゲットという点では異なっているのですが、
しかし、結果として同じターゲットに販売していた、ということです。
その結果、長年お付き合いしてきた大切な取引先の売上を、横から奪ってしまうこととなり、取引先との良好な関係は崩れることに…。
ネット販売の売上は上がるものの事業全体の売上は減少、何のためのネット販売だったのかと、後悔が付きまといますが後の祭りです。
ここで、経営者の方に理解していただきたいことは、
ネット販売は事業の一部ではなく、
事業全体を踏まえて最適な方法を選択していく必要があるということです。
アクセス数を増やすことを優先する前に、そうしたリスクを把握する経営判断が必要であったということです。
では、こうした製造卸売業は、ネット販売をしないほうがよいのか?
決してそのような二つに一つの話ではなく、事業に沿った最適なウェブ活用により、事業全体の成果に結べつける方法はあります。
当社では、そうした経営の視点を踏まえた上で、事業に最適な方法をお伝えし、お手伝いをしています。
ウェブ活用は、中小企業の成長・発展に欠かすことができないものである、という点は変わりありません。
目先の数字を追いかけるのではなく、長期的な視点で強い経営基盤を構築し、事業の発展につなげていただきたい、という想いです。
貴社では、ウェブ活用を長期的な経営戦略として、最適なプランを選択できていますか?