Googleアナリティクスの使い方!注力すべき集客方法は何か?

先日、とあるお客様にGoogleアナリティクス4(以下、GA4)のサポートをする機会がありました。そのお客様からお聞かせいただいたことは、ほかの中小企業経営者にも通じるものがあるのではないかと感じましたので、こちらで共有させていただきます。

お客様へのGoogleアナリティクスのサポートで感じたこと

GoogleアナリティクスがUA(ユニバーサルアナリティクス)からGA4に完全移行したのは、2023年7月1日のことでした。GA4に移行後、サポートする機会が非常に増えています。

きっかけは中小企業によくある経営課題

今は、無料または低予算で集客できるツールがたくさんあります。代表的なものといえばSNSでしょう。できる限り届く範囲を広げようとあれもこれもと取り組んでしまうと、更新が滞ったり内容が薄くなったりしてしまいかねません。こちらのお客様も同じ課題を抱えていらっしゃいました。

事業はサービス業で、ご自分の身ひとつでサービスを提供されています。自社サイトに加えて、Instagram、X、YouTubeというプラットフォームから発信を続けていらっしゃいましたが、効果の高い集客方法に力を注ぎたいということがきっかけでした。

つまり、自分一人で複数のSNSを同時に運用するには、時間や労力などのリソースがいくらあっても足りないということです。しかし、どれに注力すべきかその判断もつかないという状態で、GA4に辿り着かれました。

このコラムをお読みの中小企業経営者の方の中には、同じようなお悩みをお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。みんなやっているからとりあえず自社でも発信を始めてみたけれども、上手くいっているのかがわからないという企業も、同じお悩みを持っているといえるでしょう。

集客方法にはどのようなものがあるか

ここで一旦、中小企業や個人事業主(小規模事業者)の方にも使いやすい集客方法には、主にどのようなものがあるのか確認しておきましょう。

  • 自社サイト(SEO)
  • Web広告
  • SNS
  • YouTube など

自社サイト(SEO)

自社サイトは、SEO(検索エンジン最適化)で集客する方法です。潜在顧客がキーワードで検索した際に、自社サイトが上位に表示され発見してもらいやすくすることだともいえます。サイトの構築や運用を外注するとコストがかかりますが、内製できれば低コストでノウハウが社内に蓄積されるというメリットがあります。

SNSと比較すると、コンテンツが埋没しないというのも大きな特徴です。日々更新され流れていくSNSとは対照的に、コンテンツを蓄積していける長期的な利用に向くメディアだといえるでしょう。例えば、会社概要や沿革、経営方針、代表者挨拶、商品概要、お問い合わせなどの掲載が適しています。

Web広告

Web広告とは、Web上に配信する広告です。具体的には、リスティング広告やディスプレイ広告、バナー広告など、いくつかの種類があります。マスメディア4媒体(TV、ラジオ、新聞、雑誌)に比べて、広告を見てもらう対象(ターゲット)を絞り込めることや効果測定に優れていること、ユーザーに対する行動を促しやすいこと、費用が安く済むこといった点で優れています。

SNS

InstagramやX(旧Twitter)、Facebookなどが、SNSの代表です。それぞれに利用ユーザーの性別や年代といった属性上の特徴を踏まえて、自社事業に適したものを選ぶ必要があります。近年では機能の差異が縮まりつつありますが、やはりInstagramはキレイな画像、Xは文字メディア、Facebookは古参というイメージがあるといえるでしょう。

投稿内容で潜在顧客にアピールするのはもちろんのこと、それぞれに簡単なアクセス解析ができる仕組みと広告出稿の機能があります。もちろん有料です。通常では届かない範囲のユーザーに自社の投稿を見てもらうことが可能です。

YouTube

YouTubeはSNSのひとつだという解釈もありますが、動画という性質や認知度の高さなどから独立させました。音声メディアではわかりにくい部分をビジュアルで補える点、動きがあって飽きさせない点などでユーザーの関心を集めやすい反面、配信者が増加したことでユーザーに見つけてもらいにくいという状況が生まれています。

動画の制作には、編集などのスキルも必要です。定期的に配信するなら、コンテンツがネタ切れを起こさないように準備しておくことも欠かせません。また、気まぐれやこじつけでコンテンツを制作するのはなく、ターゲットの興味関心に基づくコンテンツとしなければターゲットの気持ちは早晩離れてしまうでしょう。

こちらも簡易なアクセス解析や広告出稿の機能がありますが、動画広告市場の順調な伸び(特にスマートフォン)によって競合も増えているといえるでしょう。外注か内製かによって、コストは大きく変わってきます。

今、このコラムをお読みになっているお客様は、どのプラットフォームからどのように発信していらっしゃるのでしょうか。

自社に適した集客方法とは?

さて、ここで冒頭のGA4の支援させていただいたお客様のお話に戻りましょう。そのお客様は、お一人で自社サイト(SEO)とInstagram、X、YouTubeから発信されていました。

Googleアナリティクスを通して見えた現状

「これは小さい企業や個人事業主(小規模事業者)こそ知っておいたほうがいい」

レクチャーを終えて、お客様はそのようにおっしゃいました。その理由は、どのツールが自社事業の集客に効果的なのかを確認できたからです。

前章で取り上げたように、WebサイトやSNSにはいずれも、ある程度アクセス解析できる機能が備わっていることが多いです。しかし、問題はほかのツールとの比較ができないという点にあります。

例えば、Instagramなら、Instagramで開設した自社アカウントのフォロワー数や性別、年代、居住地などの属性、どの投稿の反応が良かったかを確認できます。当たり前のことかもしれませんが、InstagramでXとの比較をすることはできません。

その点GA4では、各ツールをデータという客観的事実から比較し、どれがもっとも効果的かを確認することができます。これが、GA4のメリットのひとつです。

今回取り上げさせていただいたお客様の場合、レクチャー中に反応の良いツールが分かったため、「今後の方向性が見えた」と大変喜ばれていました。こちらのコラムでも取り上げていますが、大切なのは客観的な現状分析です。

集客効果の高いツールを見つけ出すには

大手企業であれば、あまり色よい反応が見られないツールであっても、そこに紐づいているお客様がいらっしゃったり、潜在顧客が見込めたりするのであれば、発信を続けるかもしれません。しかし、中小企業や小規模企業などでは、そのような余裕がある企業は多くないかもしれません。

発信に追われて本来の業務に支障をきたすようでは本末転倒ですし、その一方で発信しなければ潜在顧客に見つけてもらえないというジレンマがあります。今回のお客様の場合、できる限りの発信をいくつかのプラットフォームで継続し、その中から優先順位をつけることができたことは非常に良かったといえます。

元も子もないといわれるかもしれませんが、自社にふさわしい発信プラットフォームが何なのか、試す前からわかるのであれば誰も苦労しません。今回のお客様は、たまたまいくつか同時並行で発信されていましたが、異なる時期で試すと結果も異なるため、おすすめしていません。どのプラットフォームが自社に適しているのかは、やってみて初めてわかるものなのです。

GA4の使い方を学ぶメリットとデメリット

ここで、GA4の使い方を学ぶメリットとデメリットに触れておきましょう。

GA4の使い方を学ぶメリット

GA4を学ぶ利点は、「データ駆動の意思決定の強化」です。これにより、ユーザー行動の理解が深まり、ビジネス戦略を最適化できます。

  • 活動実績の見える化
  • スピーディな経営課題の把握と対策の立案
  • データに基づく経営ができるようになる

中小企業を経営する上で重要なことのひとつに、活動実績の見える化があります。目の前の業務に追われていると、なかなか自社の活動を振り返ったり、実績データをまとめたりする時間が取れないこともあるでしょう。そのようなとき、GA4なら活動実績をすぐに確認できます。

活動実績が見えると、中小企業経営者の方はすぐに現状分析を始めます。現状分析をすると経営課題が見えてきますし、どのような対策を講じればよいのかについても流れるように考えていかれます。

しかも、世間の流行りや他社の成功事例などに左右されるのではなく、データで示された自社の実績に基づいて経営判断をしていくことができるようになるのです。中小企業の強みである対応の速さや小回りの良さをさらに強化できる。そこに、GA4の使い方を学ぶメリットがあるといえます。

GA4の使い方を学ぶデメリット

「時間と労力の投資」です。新しいシステムへの適応には、学習と実践が必要です。

  • コストがかかる(学習・導入・運用)
  • アップデートへの対応が不可欠

率直に申し上げますと、GA4は誰でもすぐに使えるようになるツールではありません。データ収集や分析ができるという大変便利な機能を使うには、一定のコストがかかります。

使い方を学ぶ学習コストをはじめとして、導入時に必要な設定や操作に慣れてから本格的に始まるデータの見方や分析方法の習得など、使い続けていくために必要なコストもあります。

原則として無料で利用できるツールですが、アップデートへの対応は欠かせません。

まとめ

費用や人的リソースが限られている中小企業や個人事業主(小規模事業者)にとって、効率的に集客するという課題にどのように取り組むかは非常に重要です。その意味で、今回取り上げたケースはGoogleアナリティクスの使い方の好例といえるでしょう。

どのような成果を上げているかわからないツールに、時間や労力を割いていませんか?競合他社もやっているから、ここまで続けてきたからと発信し続けるのではなく、自社のターゲットから評価されているのは何かを確認しましょう。それが、現状を改善する第一歩です。

この記事を書いた人

吉野 太佳子代表取締役|中小企業診断士 , MBA , 上級ウェブ解析士 , Google アナリティクス認定資格

Webブランディングの専門家として、中小企業・小規模事業者さまをご支援させていただきます。

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