市場を絞ることは大切ですが、自社の売っているものの特性にあった絞り方が必要です。
例えば、リピートされない商品の場合、1回限りの顧客となります。
そうした商品を販売していく場合、市場を絞りすぎると、市場が小さくなりすぎて、利益の確保が困難になります。(これが前回の事例)
また、リピートされる商品であっても、その購入間隔が長くなる場合、そうしたことを前提に市場サイズを決定していく必要があります。
市場は広げすぎると、ターゲット顧客に刺さらないわけですが、絞り過ぎることにも注意を払う必要がある、ということです。
市場選択の目的は事業成果であって、SEOはあくまでそのための手段です。
自社が意図的に市場を選択するマーケティング戦略である、ということです。
かつては、それでもよかった時代が確かにあった。
インターネットが活発に利用されるまでは、市場はシンプルに切り分けられてきました。年代、性別、地域など、消費者の属性を選んでターゲットとして設定していく。
そうして選んだ消費者にアプローチを図っていく流れでしたし、有効な手段でした。
消費者からみれば、与えられた選択肢から選ぶことこそが常識でしたし、そのような時代であったということです。
インターネットの進展、スマートフォンの急速な市場浸透が、その常識を大きく変えました。
消費者が主導権を握り、消費者が自らリクエストを出すように、ネット検索が日々行われています。
検索キーワードこそ明らかなリクエストであり、ニーズといえるものです。
そうした市場の変化に対して、企業側がどう対応していくかと考えた場合、確かにSEO対策は有効な策と言えます。
SEOに対応しつつ、市場も最適サイズに。
消費者のニーズは単に細分化されただけでなく、1人1色から、1人10色へ、多様になっています。そうした中では、消費者の属性で切り分けるというよりも、消費者ニーズで切り分けていくことが求められます。
ただし、単なる切り分けだけで終わるのではなく、そのニーズ、つまり検索されているキーワードを満たすだけの情報提供が必要になります。
深掘りとは、どういうことでしょうか。
一言で言えば、独自性を発揮して差別化を図るということになりますが、消費者が競合に比べて感じる違いと、選ばれる価値を提供するということです。そのために必要となるのは、もちろん競合調査です。
競合とは、消費者が比較する対象企業のことで、企業側が意識する競合とは違う場合も多分にあります。
ここが難しくなる点なのだと思いますが、それを実際に知ることは難しいことではありません。
ウェブツールを使って、自社を客観的にみる。
ホームページを運用することで狙うは成果ということになるでしょうが、顧客にとっての比較対象となる競合をある程度、イメージすることが、ホームページを活用することで可能となります。これは、Googleが提供する「Googleサーチコンソール」という無料ツールで可能になります。
ツールを使うことで、顧客が自社のホームページをどのようなキーワードで訪れているのかを知ることができます。
さらに、そのキーワードを使用して自らも検索を行えば、顧客がどこのホームページを見ているのか、どのホームページと比較しているのかが想定できます。
そうしたことで、顧客が何を求めているのかも見えてきますし、用意する情報コンテンツもイメージでき、差別化もしやすくなっていきます。
競合の存在は、市場規模の魅力を証明するものでもありますし、自社が選ばれるための策を気づかせてくれることにも役立つということです。
場合によっては、勝ち目のない勝負をせずに済むとも言えるので、ネット市場での自社の立ち位置をまず確認してみてください。
市場を確認する方法は他にも様々ありますが、現状をざっくりと掴める手法をご紹介させていただきました。
貴社にとって、新たな発見があるかも知れません。
ホームページを、販促だけにとどめていては、本当にもったいない、というコラムでした。