エステサロンのオンライン化、業績を伸ばす方法とは?

コロナ禍にあり、大きな打撃を受けた業界のひとつがサービス業です。多くのサービス業経営者の方は、オンライン化に活路を見出していらっしゃいますが、長引く売上減少や対面販売が難しいという現状に苦戦を強いられています。
密なコミュニケーションを基盤とするサービス業の場合、どの部分をどのようにオンライン化するかは、非常に重要です。そこで今回はエステサロンを取り上げ、オンライン化のアイデアを2つ、そのメリットとともに示したいと思います。

施術の落ち込みを支えた物販を伸ばすのは非対面コミュニケーションの拡充


景気の影響を受けやすいといわれているエステサロン。

矢野経済研究所の調査によると、市場規模は約3600億円、2015年度以降ほぼ横ばいで推移してきました。コロナ禍に見舞われた2020年度では、3436億円(見込み)と前年度比マイナス5.3%という数字が出ていますが、実感としてはもっと落ち込んでいるというところではないでしょうか。

改めて私が申し上げるまでもないでしょうが、エステサロンの収益の大きな柱は施術です。業界全体の売り上げが思ったより落ち込んでいないことの理由は、物販による売上が寄与しているからで、その物販を支えたのがウェブ販売といわれています。この事実をどのように受け止め、自社に反映させるかという判断がサービス業経営者の方とっては不可避といえるのではないでしょうか。

コロナ禍により対面カウンセリングの利用率が低下、サロン離れが進んだといわれています。これを受けて、非対面のコミュニケーションをどこまで充実させることができるかが、現在またはこれからオンライン化を検討している経営者の方にとって重要な課題といえるでしょう。

「2021年版 エステティックサロンマーケティング総監」(矢野経済研究所)
https://www.yano.co.jp/press-release/show/press_id/2627

エステサロンのオンライン化(1)カウンセリング+ネット販売


痩身やデトックス、リラクゼーション、脱毛、美顔(フェイシャル)など、エステにもさまざまなメニューがありますが、共通しているのはカウンセリングです。お客様の現状や普段の生活についてお聞きし、適切な施術をおこなうための事前ヒアリングは、それほど手間をかけることなくオンライン化することができます。

必要なものは、Zoomなどオンラインミーティングのツール導入とネット接続の環境を整えることです。オンラインミーティングのツールには有料、無料のものがありますので、その点は検討が必要になります。ネット接続については、店舗のイメージや施術の邪魔にならないよう、無線タイプの導入をおすすめします。来店されたお客様に無料開放するのも、サービス向上のひとつです。

カウンセリングをオンライン化することのメリットは、既存のお客様に対して定期的に接点を持つことができる点にあります。来店は難しいとしても、オンラインでお顔を拝見しながらお話することで、最近の調子やお悩みなどについてヒアリングが可能です。

例えば、瘦身用ボディケア用品やスキンケア用品、化粧品などの消耗品が切れていないか、在宅時間が増えたことによる新たなお悩みはないか、来店の促進など、お客様一人ひとりに直接アプローチをすることができるのは、大きな強みといえるでしょう。

物販については、ウェブサイトから購入できるようにしておくことをおすすめします。そうすれば、お客様の好きなタイミングで購入していただくことができますし、経営側としては、サイト分析を通して新たな見込み客を獲得できる可能性が高まるからです。

エステサロンのオンライン化(2)会員サイトの構築


次は、会員サイトの構築です。無料のオンラインサロンというほうが分かりやすいという方もいらっしゃるかもしれません。会員登録は無料にしましょう。会員限定のお得な情報を定期的に配信し、そのサイトを通してお客様とのコミュニケーションを強化、販売促進につなげるのが狙いです。

ホームページがまだない、または既存のものがあるけれどもリニューアルしたいという場合には、サイト構築を改めて業者に発注したほうがいいでしょう。無料でホームページが制作できるツールもありますが、あまりおすすめしません。有料版に比べて無料版では機能が限定されていることや、コンテンツの掲載、トラブルの対応もすべておこなわなければならず、対応に予想外の時間を割かれてしまうことがあるからです。

さて、肝心の会員サイトのコンテンツに話を戻しましょう。お得な情報として、期間限定のサービスやプライスダウンする商品の情報を発信するのはもちろんのこと、会員(お客様)向けにその商品の正しい使い方やホームケアの情報(文章や動画)、エステティシャンおすすめのグッズなども発信します。

直接顔を合わせる機会が少ないこの時期だからこそ、お客様の役に立つ情報を積極的に伝えて関係性を深めることが、会員サイトを構築するもっとも大きなメリットです。どのようなコンテンツを作成すればお客様に響くか、発信の頻度やタイミング(曜日や時間帯)など、従業員を巻き込んで作っていくのもいいでしょう。その努力の結果はウェブサイトが教えてくれます。

まとめ


人が直接人にサービスを提供するエステサロンにも、オンライン化できる部分はあります。コロナ禍でお客様の足が遠のきがちな現状では、既存顧客を中心に関係性を維持、よりいっそう深めておくことが重要です。エステサロンのオンライン化につきましては、このほかにも事例やアイデアがございます。

これからネットを活用したいエステサロン経営者の方、オンライン化で新たな収益の柱を作りませんか?

この記事を書いた人

吉野 太佳子代表取締役|中小企業診断士 , MBA,上級ウェブ解析士

Webブランディングの専門家として、中小企業・小規模事業者さまをご支援させていただきます。

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