【連続コラム前編】企業によるネット活用の肝!指名検索を増やす「ネーミング」の4つのコツとは?

コロナ禍により、以前よりもいっそうネット活用の重要性が増した今、ネット市場はますます飽和し、思うようにお客様に見つけていただくことが難しくなっています。ネット上でお客様と自社とをつなぐ役割を果たすのが検索です。そこで今回は、お客様に探し出してもらいやすい指名検索とその増やし方、指名検索を支えるネーミングの4つのコツについてお伝えします。後編では事例をご紹介しますので、楽しみになさっていてください。

ネットでの企業活動の生命線ともいえる指名検索とは?


ネットでの企業活動において重要なもののひとつに指名検索があります。指名検索とは、文字そのままですが、事業者の名前や商品名、サービス名などの「固有名詞」で検索されることです。これと対になっているのがビッグワードと呼ばれるもので、行動や形容詞、地域などの「代名詞」で検索されるケースです。例えば、リンパの流れを改善するエステを探すときに「リンパ 効果 新宿」と検索するように、です。

■2つのネット検索

・指名検索:固有名詞による検索(会社名、商品名、サービス名など)
・ビッグワードによる検索:代名詞による検索(上位概念、形容詞、地名など)

指名検索には、ビッグワードに比べて2つの大きなメリットがあります。まずお伝えしたいのは、検索条件に左右されにくいということです。Google社は検索の信頼性を保つため、一定期間でネット上のコンテンツ検索条件(アルゴリズム)を見直しますが、固有名詞で検索してもらえるなら、その影響を受けにくいといえます。

先の例にも挙げましたが、「リンパ 効果 新宿」よりも「サロン名」や「サロン名 店舗名」による検索のほうが、検索対象が絞り込めている分、興味関心や購入意欲の高さを示していることもお分かりいただけるでしょう。

■指名検索のメリット

・検索条件の変化による影響を受けにくい
・興味や関心、購入意欲が高い見込み客を集めることができる

指名検索の増やし方には、2つの考え方があります。ひとつは広告で、もうひとつはネーミングです。広告の出稿には費用がかかりますし、その目的やコストを知って利用することが大切なポイントになります。ネーミングであれば納得するまで考えることができる上、基本的には費用がかかりません。

■指名検索の増やし方

・広告:有料。どの広告がターゲットに見られる機会が多いか学んでおく必要がある
・ネーミング:原則として無料。アイデアや創意工夫によって作り出せる

指名検索を増やす「ネーミング」の4つのコツ


指名検索を増やすネーミングのコツは、唯一無二のネーミングにすることです。それが社名や事業名、屋号、商品名、サービス名のいずれであっても、基本的な考え方は同じといえます。検索という点からも非常に重要となる、ネーミングの4つのコツを見ていきましょう。

■唯一無二のネーミングの4つのコツ

・読み上げやすいこと(語呂や響きがいい、リズム感があるなど)
・パッと見て印象に残ること(インパクトの強さ)
・短くまとめる(約10文字以内)
・お客様にわかりやすく、覚えてもらいやすいこと

ネーミングのコツは、音と表記を工夫することです。音については、語呂や響きがよく、読み上げたときにリズムを感じられるようにすることをおすすめします。このことが、耳から入ってくる音としての聞き取りやすさや面白さ、覚えてもらいやすさにつながります。

パッと見も大切で、印象に残るインパクトの強さがあるとよいでしょう。ひらがなやカタカナ、漢字、アルファベットのどれにするかで印象が変わりますし、長すぎるものは避け10文字程度までに収めるようにします。

つまり、商品やサービスなどのネーミングは、お客様にとって分かりやすく、親しみやすくて、覚えやすいことが何よりも重要だということです。

よくあるケースとして、事業の必要性やこだわり、かっこよさなど、思いの丈を名前に込めたくなる方が非常に多く見受けられます。お気持ちは分かるのですが、ネーミングの際には、それがいずれブランドとしてひとり歩きをし、収益をもたらしてくれるものとすることを忘れてはなりません。

商品やサービスなどに与えた名前は、お客様が認知するとき、購入するとき、たくさんの記憶の中から引き出すとき、紹介するときなどにも口にされるものです。名前はつねについて回るものですから、しっかりと考えておきましょう。

ネーミングを考え始める前にまとめておきたい情報


前段でお伝えしたコツのすべてを満たすネーミングは、そうそうあるものではありません。ネーミングのコツに溺れてしまわないようにするため、考え始める前に商品やサービスのコンセプト、特徴、生まれたきっかけや使用時のストーリーをまとめておくことをおすすめします。

その商品やサービスが既存市場を狙うものなら、既存商品との違いが際立つようにオリジナリティのある名前を、新規市場を狙うものなら、分かりやすい名前にすることもコツのひとつです。ターゲット(お客様)が覚えやすいかどうかが原点ですから、迷った際には必ずそこに戻り、アイデアを練り直してみてください。

まとめ


コロナ禍によりますます重要性が増した企業のネット活用において、ネット検索は欠かせません。そのネット検索で、他社や他商品、他サービスとかぶることなく自社を見つけ出してもらうことは、成果を生み出すための重要なポイントです。

今回お伝えしたように、検索をする時点で固有名詞を覚えておいてもらえること(指名検索)には、大きな強みがあります。ビッグワード検索から指名検索(代名詞から固有名詞)へのシフト。これは、ネット活用の肝となる検索の精度を上げるための活動といえます。

次回、連続コラム後編では、指名検索を高めるネーミングついての事例を取り上げますので、どうぞご期待ください。

この記事を書いた人

吉野 太佳子代表取締役|中小企業診断士 , MBA,上級ウェブ解析士

Webブランディングの専門家として、中小企業・小規模事業者さまをご支援させていただきます。

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